たった1枚の両親の結婚写真が私の宝物

財布を開けたときに見えるのは、私の大好きな両親の笑顔です。私の財布には、両親がまだ20歳だったときの結婚写真が入っていて、これが私の宝物となっています。なぜなら、私はもうこの結婚写真でしか、両親の笑顔を見ることができないからです。いや、笑顔だけではなく、もうどんな表情をしている両親にも会うことができません。それは、両親がもうこの世にはおらず、一生会うことができないからです。私が両親を失ってしまったのは、私がまだ3歳だったとき、住んでいたアパートで起こった火事が原因でした。当時まだ3歳だった私は、この火事についてのことを親戚のおばさんから聞かされただけなのですが、それが真実だったとすると、私はもう申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいます。その日は日曜日で、私は両親と一緒に自宅でお昼寝をしていたそうです。このアパートは小さなワンルームで、両親の2つの布団の間で私が寝るという形がお決まりになっていました。

そしていつものように3人で川の字になって寝ていたところ、1番最初に火に気がついたのは母だったそうです。母はその瞬間、私をいち早く外に出し、それからアパートに戻って父のことを起こしたそです。それは、父がとても寝起きの悪い人で、一向に起きてくれなかったからでした。そうして火の中に戻った母でしたが、そのまま父と一緒に火にまみれてしまったのです。このとき、一旦外に出た母は、近くに住んでいた親戚のおばさんに私を預けたらしく、大きくなってからこの火事の日のことを教えてもらいました。私はこれを聞いたとき、両親が亡くなってしまったのは、完全に自分のせいだと思いました。そんなとき、親戚のおばさんから手渡されたのが、この結婚写真だったのです。

火事によって何もかもが燃えてしまった中、この結婚写真だけが燃えずに残っていて、親戚のおばさんはそれを引き取り、大きくなった私に手渡してくれました。親戚のおばさんはこのとき私に対して、「馬鹿なことを考えてはいけないよ」と言ってくれました。そうして私は、この両親の結婚写真を自分の一生の宝物にして、3人で再び生きていくことに決めたのです。もう会うことはできませんが、私の中でしっかりと両親は生きてくれています。3歳のときの記憶は残っていませんが、この結婚写真に写っている両親を見ていると、きっと愛し合っていたことがわかるもので、仲の良い家族だったと思います。これからも守っていきたいです。